高校時代のこと
m さんからの投稿
高校2年の春、新入生の部活勧誘のために、体育館の外で入学式が終わるのを待っていたときのこと。
笑顔が素敵なそりゃもう可愛いタイプの女の子が、ピシッとした新しい制服を着て友達2人と歩いていて、「絶対この子と仲良くなる!」とその瞬間心に決めた。
その頃、自分の性の認識はほぼストレートで恋愛感情なんか無く、素直にアイドルを見ているような気持ちでその子に近づきたいと思っていた。
当時のわたしはネトストが特技ってぐらいその子を特定するのが早くて、クラスと名前まで突き止めて、部活の勧誘と称してその子のクラスまで行ったりしてた。贔屓なんてしてても部員は集まらないから、その子の友達何人かに部活の見学においでって誘って、どうにかして近づきたい一心で生活してた。
いよいよ新入生が一斉に入部届を出す日がやってきた。顧問の前には40人を超える新入生。なんの奇跡か、その中にわたしのお気に入りのあの子がいた。
でも、直接話したことなんてなかった。いつも誘っていたのは周りにいたノリのいい1年生だけ。嬉しくて仕方なくて、その子が入部してから毎朝ウキウキしながら学校に向かった。
ずっと苦痛だった朝練も、19時を超えるような夕練も、その子と喋るためなら頑張れた。なにか問題があれば相談してくれたり、時間が重なれば2人で駅まで帰ったり、時には先輩として怒ったり。大好きだったけど付き合いたいとは思わなくて。今考えると、高校生の可愛い片思いだった。
その子への気持ちが終わったのは、突然電話がかかってきた夜のこと。
「先輩、〇〇君に告白されて、悩んでます」と、焦った声で必死に話しているその子。部内恋愛が禁止だったため、部長のわたしに相談してきたらしい。
「〇〇ちゃんが好きなら付き合いなよ!先生にはバレなきゃいいんだから、応援してるよ!」って。
なんの強がりなのかは分からないけど、散々カッコつけて電話を切ったあと、涙が止まらなくなった。そのあと泣きながら友達に電話をかけたのも覚えてる。
本当に素直ないい子で、もちろん顔も可愛くて、高校を卒業して垢抜けたりして。最後に会ったのは去年だけど、いまもたまに連絡したりして。
高校生活の素敵な思い出だった。
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